第91回日本感染症学会総会・学術講演会 第65回日本化学療法学会学術集会 合同学会

会長挨拶

第91回日本感染症学会総会・学術講演会会長挨拶 第65回日本化学療法学会学術集会会長挨拶

第91回日本感染症学会総会・学術講演会 会長挨拶

第91回日本感染症学会総会・学術講演会開催にあたって

第91回日本感染症学会総会・学術講演会
会長 岩田 敏
(慶應義塾大学医学部 感染症学教室 教授)

 この度は第91回日本感染症学会総会・学術講演会を担当させていただくことになり、誠に有り難うございます。会期は平成29年4月6日(木曜日)から4月8日(土曜日)の3日間で、京王プラザホテル(東京都新宿区西新宿2-2-1)において、第65回日本化学療法学会学術集会(会長:草地信也先生 東邦大学医療センター大橋病院外科)との合同学会として開催するべく、鋭意準備を進めております。
 学会のテーマは「継続は力~感染症と化学療法の明日に向かって~」とさせていただきました。先進諸国では少子高齢化が、途上国においては貧困と紛争が問題となっている今日において、感染症の克服は全世界共通の永遠の命題です。ワクチンの普及により多くの感染症が予防できるようになっても、抗微生物薬の開発により多くの感染症を治療することができるようになっても、感染症がヒトの生命予後に重要な要因となっていることは疑いようのない事実です。ワクチンで防ぐことのできる疾患には限りがございますし、抗微生物薬に関していえば、やはり耐性を示す微生物の出現は防ぐことのできない事実だからであります。加えて現代の感染症においては、交通手段の発達による人的交流や物資の流通に伴い、感染症のグローバル化が問題となっており、感染症をヒト・動物・環境のすべてが関わる分野横断的な課題として捉え、One Health(ワンヘルス)という考え方のもと、地球規模で考えていく必要性が高まっています。そうした中、感染症学の重要な要素である公衆衛生、疫学、予防、診断、治療のいずれの場面においても、これまで我が国で行われてきた診療・研究・教育の活動には素晴らしいものがあり、その成果は、現在世界第1位の平均寿命と健康寿命という形となって表れているのではないかと考えております。我が国において長年培われてきた先人たちの努力と業績を正しく後進の方たちに伝え、これからも引き続き感染症と化学療法の領域で世界をリードしていって欲しい、リードしていかなければならないという気持ちを込めて、今回のテーマを考えさせていただきました。
 感染症を克服することは、感染症の診療・研究・教育に従事する私たちにとって大きな夢でありますが、少しでもその夢に近づけるよう、基礎と臨床、感染症と化学療法に関わる多くの職種が互いに協力し、特に日本感染症学会と日本化学療法学会の両学会はクルマの両輪となって、感染症のコントロールにあたっていきたいと思います。本合同学会が、会員相互の議論を深める場となり、益々複雑化する感染症の制御に、将来にわたって貢献できればと考えております。
 会場となる京王プラザホテルは東京副都心のある新宿駅に近く、交通の便の良い場所です。是非大勢の皆様のご参加をお待ちしております。

第65回日本化学療法学会学術集会 会長挨拶

ご挨拶

第65回日本化学療法学会学術集会
会長 草地 信也
(東邦大学医療センター大橋病院外科 教授)

 このたび第65回日本化学療法学会学術集会を主宰させていただきありがとうございました。ご指名いただきました関係諸氏に心より御礼申し上げますともに、その重責を全うすべく鋭意準備中でございます。
 今回は第91回日本感染症学会・学術講演会(会長 岩田 敏先生 慶應義塾大学医学部感染症学教室)との合同学会として開催いたします。
 さて、昨今、ほとんどの分野で日本の医療レベルはずば抜けて高く、しかもそれが全国民に平等に、しかも低額で提供されています。私の専門である外科の分野でも手術関連死亡率の低さ、がん手術の5年生存率の高さ、医療費の面で世界的に逆ガラパゴス化ともいえるレベルに達しています。
 これは、耐性菌対策においても然りであります。日本では、1980年代の後半に消化器外科の術後感染症でMRSA腸炎が多発しましたが、その最も大きな原因がそれまでの外科領域の抗菌薬の濫用であったことは明らかでありました。しかし、我々の世代の消化器外科医は急速に周術期の抗菌薬療法の適正化を行い、“MRSA腸炎は存在するのか?”と疑問を持たれるほどにその発症をほぼゼロに止めることに成功いたしました。そして、1990年代後半から現在まで、外科領域では耐性菌はほとんど問題になっておらず、また、現在のようなC.difficile腸炎は全くと言っていいほど発症していませんでした。このような耐性菌の状況は多少の違いはあれ、日本のすべての医療分野でも同様であろうと考えます。当初、恐れられていたVREも未だに低率のままです。唯一、黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合が欧米諸国に比べて高いことが指摘できますが、果たしてこの数字が何を意味しているのかははなはだ疑問です。臨床的に考えても、医療関連型MRSAの市中感染が多い欧米に比べれば日本ではMRSAは極めて低率といえます。
 しかしながら抗菌薬使用の適正化が叫ばれている現在、我々が目指しているのが欧米の抗菌薬療法であることには大きな疑問を持たざるを得ません。もともと耐性菌が少ない国の抗菌療法に耐性菌が多い国の考えを取り入れて良いのであろうか?
 例えば、PK/PD理論はMICが高い菌の治療に応用することは正しいとしても、MICの低い菌による感染症、特に軽症・中等症にまでいわゆる高用量投与が適応となるのであろうか?、カルバペネム系抗菌薬の適応を規制して同じように広範な抗菌力をもつTAZ/PIPCはその必要はないのであろうか?、抗菌力が劣り使用が難しいVCMをいつまでもMRSA治療の基本薬としていいのであろうか?、医療費が安い日本では高いレベルのエビデンスがなくても保険収載されている治療を適応に合わせて行う限りは積極的に試行すべきではないか?、などなど、多くの疑問が湧いてきます。
 そこで、テーマは“継続は力~感染症と化学療法の明日に向かって~”とさせていただきました。これは、長年培われた日本の感染症ならびに化学療法の診療・研究の歴史を後進に伝え、日本医療の原点である“患者さん第一の医療”を継続することを願ったものでございます。 シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップには可能な限り公募枠を設けました。規模が小さくても卓越した成績に基づいた独創的な基礎的・臨床的研究の応募を期待しております。奮ってご応募ください。

このサイトについて|Copyright © 第91回日本感染症学会総会・学術講演会 第65回日本化学療法学会学術集会 合同学会 All Rights Reserved.